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2014年03月

NOTE:紙とモデラとボンド

製本にまつわるものたちが、舞いこんできました。

ひとつは紙。昨日、神保町の近くまででかける用事ができ、せっかくここまできたのだからと竹尾見本帖をのぞきに。折よく雨も上がっていたので、よく使う紙を数種類、全紙サイズで買っておくことにしました。

つづいてモデラ。竹尾見本帖の2階では「製本のチカラ」という企画展を開催中。円筒型の本やら、蝶々型の本やらを見学しました。最後に常設の棚を見ているときに、美篶堂さんの品々の中にモデラを発見。これ、「ほしいけど、どこで買えるのかわからない……」ってあきらめかけていたものだったです。やっと見つかりました。

それからボンド。同じ日、部屋に帰るとバケツのような容器にたっぷり入ったボンドがでーんと机に置かれていました。大学でアートを教えていたダンナさんの知り合いが、もう使わないものだからと譲ってくれたそう。

というわけで、昨日1日で、製本の材料や道具が立て続けにわが家にやってきました。これはもう、見えざるなにかが「つくりなさい」といっているとしか思えません。奇しくも今日はちょっと時間がありそう。では、はじめます。

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AYA NAGAOKA
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WORKSHOP:ワークショップ@浦和のお知らせ

ワークショップのお知らせです。

4月13日の日曜日、埼玉・浦和のクラフトカフェさんにて、手製本のアルバムづくりのワークショップをさせていただきます。クラフトカフェさんの2階に新しくできたアトリエスペース。同時に、Bisous Bijouxさんによる展示販売も。フランス直輸入のクリエイターもののアクセサリーやバッグが、たくさんそろいますよ。

クラフトカフェさんではこれまで何度かフォトスクラップのワークショップをさせていただきましたが、今回はちょっと趣向を変えてみました。たっぷり3時間かけて、布貼りのアルバムをつくります。

L版サイズの写真が縦にも横にも貼れるサイズ、20ページのハードカバーアルバムができあがります。一見むずかしそうですが、表紙と裏表紙でサンドイッチして、リボンで綴じるだけの、シンプル&かわいい仕様。手製本の気分を味わいながら、はじめての方もつくれるものをと考えました。作例の写真は……実は、オーダー製本でつくったアルバムのひとつです。大切な写真をしまうためのとっておきの1冊。お好みのカラーの布とリボンを組み合わせて、アレンジしてみてくださいね。

4月は、なにか新しいことをはじめたくなる季節。クラフトカフェさんのおいしいドリンクをいただきながら、ゆるゆるとおしゃべりしながら。ものづくりのひととき、過ごしてみませんか?

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▼ クラフトカフェさんはこちら
http://craftcafe.0696.jp

▼ ワークショップの詳細はこちら
http://craftcafe.0696.jp/p/536

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CRAFT WORK:オーダー製本・リボン綴じノートブック 完成編

オーダー製本、最後にリボン綴じのノートブックの完成です。

B6よりはちょっと大きめ、正寸よりはちょっとスリム。そんな不思議なサイズにしてみました。ノートブックとはいえ、アルバムのように写真を貼ったり、旅のコラージュをしたり、雑誌の切り抜きをスクラップしたり。自由に使えるタイプです。

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表紙は、ヨーロッパ各国のヴィンテージの壁紙や、イタリアの模様入りの紙など。異色の千鳥格子はイギリスで買いました。色合いが美しく、質感も豊かで、一度見たら目に焼くつくような紙。210kgの厚いビオトープと合紙しました。

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本文の紙も、1冊1冊異なるものにしました。上のふたつはポルカ。ちりちりとこまかな混ざりものが抄き込まれた愛らしい紙。「コンニャク」と「トウフ」の2色です。真ん中といちばん下のはビオトープ。こっくりとした色が好みで、よく使います。ノートブックにそぐわぬ濃色ですが、白やシルバーのペンで書くのも素敵。その間のがブンペルの「ダンボ」。素朴な色と粗めの手ざわりがいい感じです。

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表紙をめくると、まずはトレーシングペーパーがお目見え。扉としての役割とともに、表紙に取りつけたパーツの脚が内側にでているのですが、それで本文の最初のページを傷つけないようにする意味もあります。

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リボンもひとつずつ色を変えました。蚤の市で見つけたリボン、巻きごとまとめ買いしてきてよかったです。背にリボンがでているので使うときに少々ごろっとしますが、見た目のかわいらしさを優先してあえてこのようにしてみました。

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表紙のメタルパーツは、カタチ違い、色違い。ワンポイントの飾りとしてつけましたが、紙片にタイトルを書いて差し込めば、もちろんラベルとして機能します。

さて、これにて、今回のオーダー製本25冊がすべて完成しました! 100%手作業ゆえ、つたないところもありますが……。1冊1冊こころをこめて丁寧につくりました。そして、こうしてじっくりつくることに向き合う時間をもてたことを、とても感謝しています。気に入っていただけるとうれしいです。

Item: Notebook
Size: H132×W192mm

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CRAFT WORK:オーダー製本・リボン綴じノートブック 制作編

オーダー製本、最後にリボン綴じのノートブック5冊をつくります。

仕様としてはシンプルな中綴じなのですが、紙選びや素材の組み合わせでちょっと特別感のあるものにしたいと思います。紙の種類や微妙な厚さの差は相当な紙好きじゃないとわからないものですが、手にとったときの心地やページをめくったときの感触で、なんとなく伝わるものがあるような気がしています。

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まずは本文をカットして、折って、この状態に。ポルカ、ブンペル、ビオトープなど、個人的にも大好きな紙を選びました。本当にかわいい紙ばかりです。

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本文と同じサイズのトレーシングペーパーも用意します。表紙を開いたとき、本文が現れる前にワンクッション、扉のような役割ではさむ予定です。

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表紙はこちら。ヴィンテージの壁紙を中心に、織りもののようだったり、ポコポコとエンボスがきいて立体的だったり、表情豊かなものをそろえました。

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表紙の紙、壁紙だけでは薄すぎるので、厚いビオトープと合紙します。ワインレッドとモスグリーンを選びました。が、合紙してしまうのでこのビオトープの色が見られるのは、表紙と裏表紙の内側だけ。なんとも贅沢な使い方です。

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綴じに使うリボンは、すべてフランスの蚤の市で見つけたものです。無地のリボンなのですが、現行品にはない深い色味とくたっとした質感がやっぱり魅力的。

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最後の仕上げにメタルのパーツもつけるつもり。中綴じアルバムにも使ったのと同じものです。これで素材がそろいました。リボン綴じのノートブックは複数つくっていますが、こうしてまたつくれるのがうれしいです。

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CRAFT WORK:オーダー製本・リボン綴じアルバム 完成編 2

オーダー製本、リボン綴じアルバムのつづきです。

こちらは「わたし好みで」とオーダーいただいた4冊。今回オーダーをくれたのは、20年来の友達。それだけに、これはすぐにピンときました。シンプルで、きちんとしていて、どこかほんのり女性らしい……そんなイメージでつくりました。

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表紙は、無地のブッククロス。4冊とも違うものを選びました。共通しているのは、ニュアンスカラーであること。昔から、彼女のファッションはちょっと抑えめのカラーがとてもきれいだったから。手もちのブッククロスはどういうわけか寒色系、しかもブルーやネイビーが多いのですが、今回は暖色系もバランスよく使うことに。

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ボード紙を2分割し、綴じる部分とめくる部分の間に溝をつけました。3ヶ所に穴をあけ、ハトメを取りつけ、リボンで綴じています。アルバムは、1イベントにつき1冊など、切りよくつくりたいもの。とはいえ、写真の枚数はまちまち。というわけで、どうにかページ数を自分で増減できる仕様を考えたかったのです。

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本文はNTラシャ、30ページ。ブッククロスのニュアンスカラーとの相乗効果を期待して、ニュアンスのあるグレーにしてみました。210kgのしっかり厚手です。

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横から見たところ。本文の紙の左端を2回折ってあるので、のどのほうが倍の厚さになっています。写真用紙の厚さにもよりますが、写真を全ページに貼って、少々コラージュすると、のどの部分とめくる部分の厚さがほぼほぼそろうと思います。

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綴じ用のリボンは、水玉、ストライプ、刺繍入りなど、それぞれ変えてみました。全体の面積から見ればほんの脇役ですが、ここにどんな柄や質感をもってくるかで印象がぐっと変わりますね。オーダー製本、アルバムはこれですべてできあがりです。

Item: Album
Size: H158×W165×D18mm

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CRAFT WORK:オーダー製本・リボン綴じアルバム 完成編 1

オーダー製本、リボン綴じアルバムの完成です。

まずは「元気で明るい」のイメージでオーダーいただいた5冊。いろんなイメージの中でも、わたしにとっていちばんむずかしかったのがこれでした。普段から元気がないわけじゃないんですけど……(笑)。でも、この水玉の紙と出会ったおかげで、できあがりました。L判写真が、縦にも横にも、1ページに1枚ずつ貼れるサイズです。

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表紙は、Tudi billo Papersというドイツのメーカーのもの。赤い水玉とモノクロの水玉の2種を選びました。以前にこのブログでも書きましたが、東京・高円寺のハチマクラさんで買ったもの。ドイツでデザインされ、ネパールで手漉きされている紙です。手漉きならではの素朴な風合いとモダンなパターンの掛け合わせがかわいい。和紙もそうですが、手漉きの紙はしなやかで融通がきき、とても扱いやすいです。

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2mm厚のボード紙をくるんだハードカバー。ボード紙を2分割し、めくる部分とのどの部分との間に溝をつけました。3ヶ所に穴をあけ、ハトメを取りつけ、リボンで綴じています。リボンは取りはずしできるので、あとで本文を増やすことも可能です。

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本文はNTラシャ、30ページ。210kgの厚手。潔く、ブラックにしました。見返しは、赤い水玉にはブラック、モノクロの水玉にはグレーの民芸紙を使いました。

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こちらは横から見たところ。本文の左端を2回折ってあるので、のどのほうが倍の厚さになっています。写真を貼ったりコラージュしたりすると、全体がふくらみ、表紙と裏表紙がちょうど平行になる……という目論見です。本文をカットするときに横長にしていたのは、このためだったのでした。

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綴じ用に使ったリボンは、la droguerieで見つけたものなど。表紙の紙は2種類ですが、リボンは5冊それぞれ変えてみました。元気なイメージ、少しはでたでしょうか? 「大人ガーリー」や「大人かわいい」ということばは聞きますが、「大人元気」は耳慣れないですね。大人らしい、ちょっとシックな元気、ということで。

Item: Album
Size: H158×W165×D18mm

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CRAFT WORK:オーダー製本・リボン綴じアルバム 制作編

オーダー製本、今度はリボン綴じアルバム9冊をつくります。

リボン綴じのアルバム、といっても、あくまでわたしが勝手につくっているもので、製本方法としては正統派ではないです。とはいえ、ずっとスクラップやコラージュの仕事をしてきたので「こんなアルバムあったらいいな」という思いがあり、わたしにできる範囲の製本技術でそれをカタチにしている……というところでしょうか。

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本文からはじめます。そこそこ厚手の紙を選びました。全紙を手切りして、アルバムの仕上がりよりも横長にカットします。横長であることがポイント。

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手切りした本文を、今度は断裁機で化粧断ち。片側を2回折り、綴じ用の穴を開けます。機械なんてもちろんもっていないので、ひと穴ひと穴、穴あけポンチとハンマーでトントン。マンションの階下のお部屋のみなさま、ごめんなさい。

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表紙はハードカバー。しっかりしたものに仕上げたいので、2mm厚のボード紙を使います。この厚さをカットするのは、わたしにとってはまさに力仕事。修行のつもりで、ひたすら無心で切るのみ。表紙だけでなく、のどにくる部分もカットします。

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表紙は、布貼のものと手漉き紙のものと、2タイプつくります。これもまた、オーダーいただいたときのイメージのキーワードに沿っているのです。中綴じアルバムのときに使ったヨーロッパの紙とは、ひと味違った趣。

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見返しの紙はベーシックに。ブラックとダークグレーは、民芸紙という和紙のような紙。ベージュの紙は、無地に見えますがうっすらと筋が入っています。

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綴じ用のリボンたち。これは、ひとつひとつ違うものを使うつもり。グログラン、サテン、刺繍入りなど、質感も異なるものを9冊分、9種類準備しました。ハトメを加えれば、素材は勢ぞろい。あとは手を動かすのみ、です。

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CRAFT WORK:オーダー製本・中綴じアルバム 完成編 3

オーダー製本、中綴じアルバムのつづきのつづき。

こちらは「すっきりマニッシュ」のイメージでオーダーいただいた4冊。2冊ずつ、2種類あります。すべて無地ではすっきりしすぎちゃうかなと、背クロスにチェックを取りいれて。最終的に、ブリティッシュ・トラッドになりました。

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表紙は、リザードの革のような模様がエンボスされた紙。ブラックとベージュ。製本によく使われるスカイバーテックスという紙に見えますが、もっとうんとやわらかくしなやかなものです。随分昔にイギリスで買いました。

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本文はNTラシャ、36ページ。ブラックの表紙には「くち葉」というダークブラウン、ベージュの表紙にはいちばん濃い「グレー90」を合わせました。

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ブラックの背にはブラックウォッチの生地を、ベージュの背にはグレンチェックの生地を巻きました。どちらもお洋服に仕立てるための生地を裏打ちしたものです。さわると、ウール独特のあたたかみが感じられます。

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ブラック、ダークブラウン、グレー、ベージュ、それからチェック……。よく考えてみたら、これはわたしが冬場のファッションでよくやるコーディネイトです(笑)。

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表紙には、ポイントとしてメタルのプレートを取りつけました。アイアンカラーとブロンズカラーで、どちらもアンティーク調の加工がされたもの。これで、中綴じアルバム11冊がすべて完成しました。実は、オーダーいただいたアルバムはまだあるのです。今日からは、リボン綴じアルバムに取りかかっています。

Item: Album
Size: H155×W180×D6mm

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CRAFT WORK:オーダー製本・中綴じアルバム 完成編 2

オーダー製本、中綴じアルバムのつづき。

こちらは「ガーリー」のイメージでオーダーいただいた2冊。まったく同じものをふたつつくりました。「ガーリー」とはいえ甘さ控えめ。ある程度の大人っぽさもほしくて、色はぐっと抑えています。最近、甘いの一辺倒の「ガーリー」は少々苦手になってきたのです。渋みや苦みがほしい年頃です(笑)。

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表紙はモノクロの小花柄。実はこれ、ドールハウス用の壁紙なんです。パリ9区にある人気の雑貨屋さん、Pain D'Epicesで見つけました。ここはかわいいミニチュアで注目されるお店ですが、コラージュするなら壁紙やクロモスも要チェックです。

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本文はNTラシャ、36ページ。「なんど」という柔和であたたかみのあるブルーです。一度はボルドーやローズピンクも考えてみたのですが、背クロスと合いすぎてやっぱり違うな、と。1周まわってこの色に辿り着きました。

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背には、ダークブラウンのブッククロスを巻きました。ブラウンを組み合わせると、表紙のモノクロのコントラストがやわらいで見えますね。

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表紙のモノクロ、背のダークブラウン、本文のニュアンスブルー、このコーディネイトがやってみたかったのです。表紙だけ見るとかなりオーソドックスですが、本文がちらりと見えたときにちょっと意外……そんな組み合わせです。

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小口にはブラックのグログランリボンをはさみました。合理性を追求するならアルバムの厚さに対してリボンの幅が広すぎるのですが、そこは「ガーリー」。あえて不必要なくらいボリューミーな蝶々結びにしたくって。

Item: Album
Size: H155×W180×D6mm

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CRAFT WORK:オーダー製本・中綴じアルバム 完成編 1

オーダー製本、中綴じアルバムの完成です。

まずは、「大人っぽくてきれい」というイメージでオーダーいただいた5冊。ヨーロッパの紙に背クロスの、クラシックなスタイルでつくりました。L判写真が縦にも横にも貼れて、さらにコメントを書いたりコラージュしたりもできるサイズです。

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表紙は、ヨーロッパの模様入りの紙。せっかくなので、ぜんぶ違うものにしてみました。イタリアのROSSI、ドイツのCARTAPLAなどです。やっぱり模様に力がありますね。手前2冊のの葉っぱの模様、すごく好きです。

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背にはブッククロス。布の質感が加わると、「もの」としての存在感がぐっと増すように感じます。このクロスは、その昔イギリスで買ったもの。いま思えば、わざわざイギリスから運ばなくてもよかったような気もしますが……。

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表紙は1㎜厚のボードをくるんで、ハードカーバーよりもちょっとライトな「セミハードカバー」にしました。全体の厚さは6㎜くらいで、保存用にも、携帯用にも。この「セミハードカバー」ということば、製本には本来存在しないようですが、文房具の企画の仕事ではよく使っていました。「ボードを芯に使っているが、しなる程度の厚さ」というくらいの意味でしょうか。なかなかちょうどよい表現ですよね。

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本文はNTラシャ、36ページ。1冊ずつ、表紙に合わせて色を変えてみました。NTラシャ自体はポピュラーですが、「鉄」や「鉛」や「ときわ」などマイナーな濃色が多いです。どの色も、写真を貼ったときによく映えると思います。

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裏表紙にハトメで平ゴムを1本取りつけて、斜め掛けしてとめられるように。このおかげで、なんだか文房具な顔になりました。最終的にはひとつひとつ別のところへ旅立っていくのですが、5冊そろった姿もなかなか気に入っています。

Item: Album
Size: H155×W180×D6mm

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CRAFT WORK:オーダー製本・中綴じアルバム 制作編

オーダー製本、まずは中綴じアルバム11冊をつくります。

料理にしろ製本にしろ、下ごしらえがいちばん手間がかかるようで。紙を、切って切って切りまくり、折って折って折りまくり、縫って縫って縫いまくり、貼って貼って貼りまくり。ここ数日は、とにかく紙まみれ。正直いって、しあわせです(笑)。

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本文からはじめます。3回に分けて買ってきた全紙、とうとう出番です。アルバムにしたときに使いやすくて、しかも取り都合のよいサイズを計算。無駄なく使うようにします。見開きサイズにカットして、2つ折りしたところ。

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1冊あたり40ページ分を中綴じします。淡色の紙は白いリネン糸で。濃色の紙は茶のリネン糸で。このリネン糸は、随分昔にイギリスの蚤の市で見つけたもの。

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中綴じしたら、天地と小口を断裁します。これはさすがに家庭用断裁機の力を借りて、ざざんっとひと息にカットします。補強のため、背に寒冷紗を貼ります。

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表紙はセミハードカバーに。1mm厚のボード紙をひたすらカットします。一度じゃ切れないですし、直角にしなくちゃいけないし。これがいちばん肩の凝る作業かも。ちょこちょこカッターの刃を折っていくので、最後はこんなちいさくなりました。

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表紙に貼る紙は、いろいろなものを取り混ぜる予定。オーダーのときにいくつかイメージのキーワードをもらったので、それに合わせてピックアップします。フランス、イタリア、ドイツなど、ヨーロッパの紙が中心です。

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背クロスもつけるつもり。クラシックなスタイルが、好きなんですよね。表紙の紙とのコンビネーションを考えるのも楽しい。必要なサイズにカットして、スタンバイ。

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表紙の紙が無地のときは、背クロスを柄ものの生地にしたいな……というわけで、グレンチェックのウール地を裏打ちしました。

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あとは、リボンやプレート、ハトメなど、表紙の紙によってはちょっとしたあしらいもプラスしようかと思っています。素材はざっとこんなところ。これらをあれこれ貼り合わせて、組み合わせて、アルバムに仕立てていきます。

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NOTE:善きひとのための靴

靴の展示を見てきました。

今月はじめのことなので少し時間が経ってしまいましたが、「ああ、あの展示が見られてよかったな」とじわじわ時間差で沁みてきていて、いまごろこうして書いています。TACHINOChieさんの手製靴の展示「善き人の靴と古書」です。

昨年、石川に里帰りしていたときのこと。金沢21世紀美術館を訪れたついでに、ふらりと通りすがりのギャラリーショップに立ち寄りました。そこでたまたま目にした手づくりのブーツが本当にきれいで、凛としていて、深く印象に残っていました。

しばらくして、偶然にも、つくり手のTACHINOさんが同じ石川の出身で、しかも以前勤めていた神戸の会社の後輩だと知りました。在籍していた時期は重なっていないからお互い見知らぬもの同士なのですが、縁があるなとうれしくなっていました。

そして、先週、TACHINOさんが東京・南青山で展示をされるというので、のぞいてきました。ちょうどわたしたちの間の期で、TACHINOさんのこともわたしのことも知っている後輩が誘ってくれたのです。靴が並ぶ空間は、ものすごく静謐な雰囲気。あの空気が醸されるのは、つくり手と靴とが真剣に向き合った証拠だと思います。やっと、TACHINOさんご本人にも会えました。話しやすくて、素敵なひとでした。

正直なところ、わたしも、ものづくりするものの端くれとして、もっと真剣につくらなくちゃなと思いました。これまでもふざけてたわけじゃないですが、もっと、という意味で。真摯な仕事の向こうにあるものを思い出させてもらいました。この週末は、なんだか清々しい気分で手製本に取りくんでいます。

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▼ TACHINOChieさんはこちら
http://tachinochie.com

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NEWS:永岡大輔個展のお知らせ

永岡大輔の個展のお知らせです。

身内のことで恐縮ですが、ひさびさの個展なので紹介させてください。3月6日〜4月6日まで、東京・表参道のhpgrp GALLERY TOKYOさんにて、美術家・永岡大輔の個展「千年燃え続ける炎と8分19秒前に消えた星」が行われます。

主題は、「記憶と身体の関係性」。何十時間にもわたって撮影された鉛筆の線画から編みだされた、5分間の新作アニメーション作品です。そのビデオ・インスタレーションとともに、作品の制作過程で生まれたドローイングも展示しています。オープニングは3月14日の19:00スタート。お時間ある方は、ぜひのぞいてみてください。

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▼ hpgrp GALLERY TOKYOさんはこちら
http://hpgrpgallery.com/tokyo/

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