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2015年12月

NEWS:旅立ちの大晦日

旅にでます。

ひさしぶりのアメリカ・ニューヨークです。プライベートでははじめて。ちょっと緊張しています。図書館でニューヨークが舞台の小説なんかを借りたりして、気持ちだけは1週間ほど前からすでに旅立っています。

雪国生まれのくせに寒さに弱いので、もこもこしたセーターやら、でっかいストールたら、毛糸のくつしたやら、やたら荷物がかさばります。ちいさなスーツケースに収まる量は限られていて、こうなったらもう、おしゃれごころは封じこめるしかありません(普段からたいして開放されていませんが)。とにかくあったかくして、大好きな蚤の市や青空マーケットにくりだしてゆかなくては。

旅となると、荷づくり以外にもやることいろいろ。冷蔵庫をからっぽにしたり、部屋の植物たちに水をあげたり。気になっているのは、東北から届いたりんご。きっと帰ってくるまではもたないから、出発前ににおいしくいただかなくちゃ。

と、準備にあたふたしていてうっかり忘れそうになっていますが、今日は大晦日。いつもなら、家族と一緒にごはんを食べてまったり過ごす日です。大晦日に旅にでるなんて、思いもよらなかったこと。いろんなめぐり合わせで、こんなことになりました。思えば2015年は、これまでにも増してあっという間に過ぎていきました。たくさんのひとに会って、たくさん原稿を書いて、たくさん製本したつもりだけれど、本当はまだまだできたような気もする……。でも、今日は素直に、こうして大晦日を迎えられたことに感謝したいと思います。

2016年も、どうぞよろしくお願いします。

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AYA NAGAOKA
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NEWS:永岡大輔展示のお知らせ

永岡大輔の展示のお知らせです。

2016年1月2日より、アメリカ・ニューヨークのThe Jewish Museumにて、美術家・永岡大輔が参加する展示 "Sights and Sounds: Japan" が行われます。2014年に東京で発表したアートアニメーション「千年燃え続ける炎と8分19秒前に消えた星」を展示します。英語に訳すと、"The fire that has been burning for 1000 years and the star that has gone out 8 minutes and 19 seconds ago" という素晴らしく長いタイトルになっています。約1ヶ月間、2月4日までの開催です。

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▼ The Jewish Museum はこちら
http://thejewishmuseum.org/exhibitions/sights-and-sounds-japan#gallery

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EDITORIAL:『EDiT ー あのひとのクリエイティブのひみつ』

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WEB連載『EDiT — あのひとのクリエイティブのひみつ』にてお仕事させていただきました。手帳ブランド、EDiTのオフィシャルサイト。自らの人生をクリエイティブに編集(=EDiT)する方々のインタビュー集です。今回は、紙媒体からWEB、プロダクツまでを手がけるデザイン事務所、SOUP DESIGNの渡辺和音さん、児島彩さんにお話を伺いました。

渡辺さんと児島さんは、雑誌『TRANSIT』や『商店建築』、書籍やビジュアルブックなどの紙媒体を中心に活躍するグラフィックデザイナー。インタビューでは、それぞれのお仕事ぶりとともに、どうやってデザインのアイデアを生みだすのか、そのプロセスに迫りました。PCで仕事をする印象の強い職業ですが、おふたりがデザインのアイデアを練っていくときに重要な役割を果たしていたのは、ノートでした。

さらに興味深かったのは、おふたりのノート術がまるで正反対だったこと。必要でないものを削ぎ落とすために描くのか、必要かもしれないものをふくらませるために描くのか。道具のありようは、そのひとの頭の使い方を表すものだなと思いました。翻って、自分はどうだろう……と考えさせられます。手帳にしても、ノートにしても、製本道具にしても、柔軟に、そして美しく使えるひとになりたいものです。

Title: EDiT WEB Interview 'Creative Style Vol.10'
Publisher: MARK'S Inc.
Pub Date: Dec. 2015

▼ 記事はこちら
http://www.edit-marks.jp/special/interview_1/vol10/

AYA NAGAOKA

NOTE:いちごのケーキ

今日はクリスマスイヴ。

かつてはイヴはおしゃれしてでかけるもの、と思っていましたが。大人になってからは、おうちでゆっくり、ちょっとフンパツしたごはんとケーキを食べる日になりました。今年は、真っ白な生クリームに真っ赤ないちごがのったホールケーキ。予約しそびれたまま今日を迎えたので、近所のお店にて飛びこみで買いました。

こどものころは、ケーキといえば「いちごショート」でした。わたしがいちごショート好きだからじゃなく、地方のちいさな町では目にするケーキの種類が圧倒的に少なくて、みんなが描くケーキ像がいやでも共通していたということだと思います。スパゲッティといえば、ナポリタンとミートソースだった感じ。「サザエさん」にたまに登場するケーキも、決まっていちごショートだったように記憶しています。

いまは、ケーキ屋さんあらためパティスリーがいっぱいあるし、お店ごとの特色も豊かだし、お取り寄せもできる時代。でも、今日は、いちごののった白いケーキを食べているおうちが多いのでは。「やっぱりこれがいちばん!」なんていいながら。ということは、世代がひとまわりしてもこの光景がくり返されるのかも……。さて、わたしも、そんなノスタルジーとともに甘酸っぱい冬のいちごを味わいます。一度には食べ切れそうもないので、今日と明日と、もしかしたら明後日までかけて。

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AYA NAGAOKA

NOTE:蔵前ぶらり

今日は、東京のイーストサイドでのロケでした。

蔵前周辺をぶらぶらと歩きながら、下町の風景を切りとっていく撮影。昔ながらのおもちゃ問屋さんに、老舗のどぜう屋さん、人気の定食屋さんをめぐります。せっかくだからと、いつもは橋の上やビルの窓から眺めていた隅田川の川岸へも。橋のたもとから階段を降りると、町を歩いているときには気づかなかった川のにおいがしてきます。海のにおいでもあり、ちょっと切ない腐のにおいでもあり。

少し歩くと、パタパタパタッと何羽もの鳩が飛び立っていきました。橋の下で生活するおじさんが餌をあげていたようです。さらに進むと、今度は一羽のカモメがこちらへ向かって真っすぐ低空飛行してきます。すれ違う直前にすいっと高度を上げて、飛び去っていきました。たぶん、からかわれたのだと思います。冬の間はあまり出番のなさそうな屋形船は、船着き場に結わえられ、遊覧船が立てる波に退屈そうにちゃぷちゃぷ揺れるばかり。川向こうには、スカイツリー。真新しさゆえの潔癖な姿で、ごちゃごちゃした昼下がりの下町を見下ろしていました。

いつもと歩く道を変えるだけで、違った顔が見える。それは、ひとびとの暮らしの痕跡が何層にも降り積もった下町だからこそ。古いものと新しいものが入り混じったイーストサイド独特の景色は、奇をてらってできあがったわけではなく、淡々と時間を重ねてきた結果なのだなと思いました。

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NOTE:美篶堂さんの「本づくり学校 応用科」第7回目

12月19日、美篶堂さんの「本づくり学校 応用科」第7回の取材がありました。

今年最後の授業を迎え、応用科もいよいよ終盤。課題は「ブックケース」です。大切な本を保管するためのケースは、ワークショップで教えてほしいというリクエストがとても多いアイテムのひとつだそう。取材しながら、わたしもつくってみたくて仕方ありませんでした。本づくり学校で教わるのは、上島松男親方独自の手法。その実作業を目の前で見られるのは、「本づくり学校」ならではです。

今回の授業は、現在制作中の書籍のゲラが教科書代わり。昨年の春からコツコツ取材してきたことが、少しずつカタチになりはじめています。感慨もひとしお……。詳しいご報告は、またあらためて。

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▼ 本づくり学校のブログはこちら
http://hondukuri.tumblr.com

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WORKSHOP:ワークショップ@渋谷のリポート

ワークショップのリポートです。

12月19日の土曜日、東京・渋谷のかぞくのアトリエさんにて、ぽち袋づくりのワークショップをさせていただきました。渋谷区が運営する、こどもと親子のための支援センターです。図工室スタイルのテーブルや椅子が並ぶ広々とした空間に、10組の親子が集まってくださいました!

今回は、お正月準備のひとつとしてぽち袋をつくりました。材料は、京都の老舗さんにご提供いただいた本格的なものばかり。職人さんが1枚ずつ手摺りした木版和紙と、色鮮やかな絹のくみひも。素材の由来をきちんと話すことで、ちいさなこどもたちが大切に大切に扱ってくれたのが印象的でした。どうしてもでてしまう紙の切れ端ももち帰ってくれて。千代紙や年賀状の飾りとして活躍してくれることと思います。

紙を切って、貼って、折って、くみひもを結んで。最後には、手づくりの熨斗もつけました。「誰かに『おめでとう』を伝えるときに、お手紙を入れて渡してあげてね」と話したところ、「自分の宝ものにする」といってくれた子も。なかには、おばあちゃんに『お年玉入れてね』って贈るの」という子も(笑)。かぞくのアトリエさんのWEBには、ワークショップの写真がアップされています。自分でははじまる前の材料しか撮れなかったので、うれしいです。よかったら見てみてください。

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▼ かぞくのアトリエさんのフォトレポートはこちら
http://kazoku-no-atelier.com/news/news_art/

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WORKSHOP:ワークショップ@千駄木のリポート

ワークショップのリポートです。

12月9日の水曜日、東京・千駄木のCaplevilleさんにて、ガーランドづくりのワークショップをさせていただきました。思い返せば、昨年のいまごろはクリスマスオーナメントのワークショップをさせていただいたのでした。あれから1年経ったなんて!

ガーランドづくりは、フランスの古い楽譜や古本を三角形に切って、リボンにつけるところから。ベースができあがったら、思い思いにコラージュして仕上げます。素材選びに迷い、ああでもないこうでもないと悩んで……そんな試行錯誤こそが醍醐味。静かで満ち足りた、とてもいい時間が流れていました。

大人の女性がとびきりガーリーなものをつくったり、ちいさな女の子がものすごくシックなものをつくったり。気の向くままに切り貼りしているように見えて、実はものすごく計算されていたり。コラージュすると、普段は隠されたそのひとの内面が垣間見られるような気がします。

2時間半後には、それぞれに個性的なガーランドがたくさんできあがりました。壁につるすという方もいらっしゃれば、クリスマスツリーに飾るという方も。ひとまずはCaplevilleさんの壁にずらりと貼って、鑑賞会を。おいしいお茶を飲みながらみなさんの作品を眺めるひととき、楽しかったです。

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NOTE:冬の美篶

12月5〜6日、美篶堂さんの「本づくり学校」のお仕事で長野を訪ねました。

東京から伊那まで約3時間半、きびしい寒さを覚悟してバスを降り立ちました。お天気にめぐまれたおかげで、日中は街を吹き抜ける冬の風がかえって心地いいくらい。日本アルプスの山々を背景に、とんびが上空をひゅるりと旋回していきます。

お仕事のあとは、素敵な場所めぐり。花と器のお店、草の音さんは、古い繭蔵を活用したという独特の空間。色とりどりの花々、古道具や古家具がゆったりと並び、一歩足を踏みいれた瞬間に感嘆のため息がこぼれます。伊那創造館は、昭和5年につくられた図書館。戦前の貴重な本が美しい状態で残っています。伊那名物のローメンやソースかつ丼、おそばも堪能し、めくるめくひととき。いちばんテンションが上がったのは、美篶堂さんの製本工場見学だったのはいうまでもありません(笑)。

日が沈むと気温がぐっと下がり、冷えこみます。19:00ともなると、夜空に星がきらきらと。昨年、はじめてこの地を訪れたのは、9月でした。秋の美篶は、田んぼの黄金、そばの花の白、コスモスのピンク……実に色鮮やかだったのを覚えています。12月、冬の美篶は、きーんと冷えて澄みきった空気が印象的。恐る恐る吸いこむと、頭の芯まで透明に浄化されていくみたいでした。

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EDITORIAL:『季刊サルビア Vol.39』

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12月1日発売の『季刊サルビア』。ものづくりの楽しさとその背景にある物語を伝える季刊誌にて、編集をお手伝いさせていただきました。Vol. 39のテーマは「くつしたづくし」。1冊まるごと、くつしたのことばかりです。

巻頭では、くつしたコーディネイトをたっぷり紹介。どんな季節にも、スカートにもパンツにも、よそいきにもおうち用にも。くつしたの活躍ぶりを見てください。特集では、新潟・五泉市で長年くつしたをつくりつづけている工房を訪ねました。編み機の緻密な動き、そしてその編み機を操る繊細なひとの手……。サルビアさんの人気アイテム「ふんわりくつした」の、やさしいはき心地の秘密を探りました。巻末は、フォトグラファーの角田明子さんによる「くつしたのある風景」。ラトビア郊外ののどかなおまつりの様子に、こころ踊ります。

くつしたが好きなひとはもちろん、素足が好きなひとにこそ見ていただきたいです。1足ずつ大切につくられたくつしたは、はき心地に敏感であればあるほど、そのよさを実感できるものだから。

Title: salvia Vol.39
Publisher: salvia
Pub Date: Dec. 2015

▼ salviaさんはこちら
http://www.salvia.jp

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